売上高はどんな会社でも伸ばしたいもの。ただし、たくさんの商品を売ろうとして、無理に粗利益率のよくない注文を受注したり、安売りをしたりしてしまうと、結果として、売上そのものは増加しても、肝心の利益が減ってしまう場合があります。
このように、売上の増加は、その伸ばし方によっては、利益が減少してしまうこともあり、慎重に検討していくことが必要です。
そのためにも、まず、売上高を分解して考えていきます。分解方法にもいろいろあり、業種によって適切な分解方法がそれぞれありますが、ここでは、基本的な分解方法として、
売上高=販売単価×数量(個数や客数)
という分解をしてみましょう。こうすることで、売上高を増加させるということが、より具体的には、①販売単価を上昇させるか、②販売数量を増加させるか、③その両方を行うというように考えることができます。
(もちろん、上にも書いたように、販売単価を下げ、より多くの数量を販売することで売上高を増加させようとする方法もあるのですが、利益も含めて増加していくことはなかなか難しい方法でもあるので、ここでは、原則的な増加方法である①②をあげています)
まず、①の販売単価の上昇です。 このデフレの時代に価格を上げることはなかなか難しいことではありますが、やってみる価値は十分あります。なぜなら、販売単価の上昇はその上昇分がそのまま利益の増加に直結するからです。
決して簡単ではありませんが、こうした品質向上にお客様が納得してくれれば、販売単価が上昇は十分可能です。ただし、原価をかけすぎずにやるのがポイントになります。
従来の品質のままでも、販売単価を上げるものと下げるものを作ってメリハリをつけ、それらをミックスした結果として全体の売上平均単価を上げるという方法もあります。
これは一例ですが、レジ横のついで買い誘導、トッピング売り、セットメニューやセット販売での割安感醸成といった工夫をすることで、購買時一回あたりの販売単価を上昇させる方法です。
次に②の数量を増加させる方法です。
数量を増加させるというのは、来てくれる(買ってくれる)お客様の数を増やすことです。そしてこのお客様には「新規のお客様」と「既存のお客様」の二種類があります。「新規のお客様」を新たに取り込み、「既存のお客様」は今後も継続していただくようにすることがポイントになります。まず、「新規のお客様」ですが、こちらの取り込みには、マーケティングで有名な「AIDMAの法則」にもあるように、まず自社の商品・サービスを知ってもらい興味をもってもらわなければなりません。ここが既存のお客様との違いであり、この第一歩を越えてもらうために広告、宣伝を工夫していく必要があります(広告媒体選択、頻度、時期等)。
一方、既存のお客様に対しては、今後も継続して買っていただけるような工夫が必要です。買おうと思った時に思い出していただけるように定期的な案内方法(DM、メールマガジン等)を検討することや、次回もここから購入した方が得だ、気持ちよく買えると感じていただけるようなロイヤリティプログラムを構築する方法を考えていきます。
既存のお客様からの口コミで、新規のお客様が増える様な仕組が完成すればとてもいい流れになります。