経営計画が重要(そう)だということは、ほとんどの社長がわかっているのではないでしょうか。しかし、実際に経営計画を作って、それを会社運営に役立てている社長となると、激減してしまうのが実状かと思います。
この経営計画の作成ほど、重要(そう)だとわかっていても、第一歩を踏み出せないものは少ないかと思います。
しかし、改めて言います。経営計画はとても重要です。これは、経営計画を作成するメリットとしてあげられる
といった点でももちろん重要ですが、銀行とお付き合いをする上でとても重要だからです。なぜなら、まず、銀行に対して自社の説明をするのに、経営計画はとても便利です。(銀行が知りたいことが網羅的に記載されるためです)
さらに、この銀行格付けチェックツールでも記載しましたが、格付けのランクが8(要管理先)や、ランク9(破綻懸念先)の場合は、銀行からの新規・追加の融資が難しいのですが、これが、経営計画が一定の要件を満たしていて、その進捗が順調な場合には、追加の融資を検討してもらえる可能性があります(もちろん、銀行によって違いはあり、さらに新規の融資については厳しい状況は同じです。なお、こうした格付けがあまりよくない状況で、専門家に相談して経営改善計画を作成した場合のかかった費用について、一定の費用負担をしてくれる制度もあります)。
詳しくは、ワンポイントAdvice 認定支援機関による経営改善計画支援をご参照下さい。
また、何より、ちゃんと経営計画を作っている会社は、銀行の自社に対する印象が格段によくなります。これは大きなポイントです(銀行員の方が自社をどのように思っているかは融資審査上、とても重要です)。
こうしたことからも、まだ、ちゃんとした経営計画を作っていない方は、是非、経営計画の作成を思い切ってやってみることをお勧めいたします。
なお、経営計画といっても様々(長期経営計画、中期経営計画、単年度計画)であり、また、目的(自社内部用のアグレッシブなもの、銀行用の堅実なものなど)によって作成方針は異なってきますので、経営計画の作成、シミュレーションの作成に精通した専門家に相談しながら進めていくことが効果的です。
最後に、多くの社長が経営計画を作成しない主な理由と、それに対して、ある著名な経営コンサルタントが答えた文章を記載しておきますのでご参考にしてください。
【経営計画を作成しない理由】1.の「将来のことは、雲をつかむようでわからない」というのは、多分、売上と利益だと思います。それ以外はかなりの精度でわかるのです。向こう1年間の、人件費・経費・支払金利など、出ていく金額はわかるのです。要は稼ぐ金額が予測できない、わからないのです。経営計画は、稼ぐ金額(売上・利益)は、わからなくても、稼がなければならない金額はわかります。経営計画は、「我が社が生き残るために、いくら稼がなければならないか?」を計画するものです。
2.の「計画通りいかない」は、計画通りいかないから、計画が必要だということです。計画と実績の差が何を意味しているのかが、実は大切なのです。我が社(主に社長)の考え方と、マーケットとのズレを表しているからで、そこに手が打てるからです。